2012年6月9日土曜日

医療スタッフの地産地消 ~ 住民主導で創る世界一の看護学校 ~

留萌二次医療圏には高校を卒業してから行ける教育機関がひとつもありません。そこで、自治体や病院任せではなく地域住民主導型ネットワークを形成して、看護学校を創ります。


プロジェクトの「概要」

留萌二次医療圏には看護学校はもちろん、高校から進学できる教育機関が一つもありません。そのため、留萌二次医療圏は全道でもっとも正看護師の割合が低くなっています。本プロジェクトは、地域住民が看護学校を創るという呼びかけを起こしていき、本地域に内在する複合的な課題を抜本的に解決します。

◎手法 【膨大な情報の収集、整理、結合、そして拡散
総務は膨大な情報の収集・整理するため週3回定期的に活動を行います。具体的には理事会用のリサーチ業務・書類作業一般・会計実務等を実施します。留萌には地域コミュニティー放送局があります(FMもえる)。同局のラジオ番組「留萌ブログ」(月曜夜9時から10)は開局当初から運営されているラジオ番組です。理事会はこの番組の中で公開理事会として行い、(1)行政、(2)企業・事業者、(3)個人、(4)NPO等の団体、(5)学校、(6)町内会、医療関係者、(7)学識経験者からゲストを招きながらネットワーク作りをすることにより情報の結合・拡散を同時に行っていきます。
 【番組内】 実施回数 150 ( 年間50 ) ゲスト のべ150 (多職種から招聘 )
 【番組外】 実施回数 600回 ( 年間200 その内、調査・研究の実施が152)
       ネットによる広報活動  →ツイッター・・・・・本プロジェクトのアカウントで「つぶやき」ます。
ブログ・・・・・・・広報紙を配布します。
FACEBOOK・・・・・プラットホームメンバー同士の密な連絡を行います。
        広報紙作成    6万部 ( 年間2万部 ) を新聞折込の方法で配布するほか、ブログにて配布
懇談会の実施  36回実施 ( 毎月1回実施 )
ポスター貼付  →1200枚配布 ( 400枚貼付 ) 依頼先 北海道、留萌振興局、留萌教育局
留萌市、増毛町、小平町、苫前町、羽幌町、初山別村、企業・組織、個人、NPO等、学校、町内会
事情説明   →私立学校設立の許諾権限は北海道になりますが、看護学校の場合には更に
厚生労働省の認可も別途必要になるため、進捗状況の説明などを適宜実施します。
留萌二次医療圏は9市町村で成り立っていますので、進捗状況の説明を実施します。
(年間に東京に2名を1回、札幌に2名を2回、近隣町村に2名を4回の出張)








プロジェクトの「背景」

と「課題」





 2010年末時点の留萌地域における看護師の就業者数は275名、人口10万人に対する数では517.8名で、全国の744.9名、全道の923.5名と比較して大きく下回っており、21医療圏での比較では19位となります。さらに、看護師・准看護師就業者数における看護師の比率でも、全国の72.2%、全道の70.3%に対し、留萌地域は51.6%と大きく下回っており、21医療圏での比較では最下位となります。
 なお、本プロジェクト地域には既存のインフラがあるため新築は考えていません。一例では、留萌市立病院の敷地内に、
2005年に新築された北海道立衛生学園留萌学習センター(左写真)がありますが、すでに廃校しています。この施設は准看護師から正看護師への移行施設であったため、黒板をはじめとするあらゆる研修設備が完備しています。また、1998年に新築された千望高校と2001年に校舎を新築した留萌高校とが2017年度をもって統廃合することになっています。


プロジェクトの「目標」
◎本プロジェクトの目標  2014年度に設立申請を目指します。

数値目標
ゲストのべ150
連携団体 のべ30団体
連携市町村 9
ふるさと納税に項目新設
募金 2億円 
 内訳 ふるさと納税への積み立て分 1億円 ←税控除可能(企業からの寄付や高額寄付金向き)
    民間基金設立 1億円 ←控除できない ( 個人からの小額募金向き )
   2億に達しなくても申請自体は可能
運営主体
学校法人
広域行政組合
種   別
専修学校
看護養成所
基   金
2億円
特になし
学生数
90
特になし
専任看護教師
8
◎本プロジェクトで想定される看護学校の2形態  
住民の意見を取り入れるため、それぞれメリット・デメリットのある2つの具体的な案を用意しました。そのため、現段階では2つの目標( ゴール )を設定しています。
【学校法人】道立で運営されていた准看から正看への移行施設が建設後6年で廃校になった経緯があります。都会に住む学生用のサテライト施設であり地域に学生がいなかったため、住民の存続運動も起こりませんでした。各自治体の財政状況も硬直化しているため、住民主導で「作り上げる」とすれば学校法人がもっとも素直な意見です。しかし、学費が年間200万円を超えるという欠点があります。
【広域行政組合】交付税措置対象事業になるため赤字額の半分が国の負担となります。事務に関しては公務員が兼務できる公務となるため、学費が年間100万円以下と設定できるメリットがあります。しかし、行財政が硬直化しているため赤字前提で設立・運営することは9市町村議会の大きな論点となるでしょう。広大な留萌二次医療圏には100人を超える議員や首長がいますので、足並みをそろえる事は難しく機動性に欠けます。


プロジェクトの「成果
として期待できること」
 2006年の診療報酬制度改定により、病棟に勤務する看護師の人数によって、病院収益の柱である入院基本料に大きな格差が生じることとなりました。 全道的に看護師が勤務条件の良い都市部の民間病院などに集中する傾向が生じており、遠別町立国保病院や天塩町立国民健康保険病院など過疎地域に所在する病院では、入院患者数に応じた看護師を確保することが難しく、病院経営にも深刻な影響が生じています。
 看護学校を留萌二次医療圏につくることができれば、この地域で人材が確保され全ての病院に経営革命が起こせます。経済的な意味は病院経営の改善にとどまりません。全国100私立看護系大学の平均では卒業までにかかる学費6,229,944円です。留萌から通える範囲には看護学校はありませんので一人暮らしのための費用までを考えると一人当たり1000万円を超えています。現在、都市部に流れている学費・生活費が、地域内に還流させることができれば地域経済が活性化する直接原因になりえます。
留萌高校から看護学校への進学者数 推移
2007年度
2008年度卒
2009年度卒
2010年度卒
2011年度卒
16
16
40
26
27
2009年度は留萌がんばるかいが進学説明会を実施しています
上述した病院と家庭への朗報ばかりではなく、就職に絶対に強い学校の存在は、子どもたちの明るい未来を約束するものです。